参政党員再登録作業に問題はなかったか 成田透氏が問題を指摘 その1

 この記事を読まれる皆様へ

 参政党は8月に党員の再登録作業を行ったことをご記憶にございますか。

 この時期参政党は飛ぶ鳥を落とす勢いで党員数を増やしていきました。その渦中で「この前登録したばかりなのになんで再登録しなければいけないんだ。」と新しく入った方は疑問に思ったでしょう。

 その裏側の実態を知り、参政党に警告を発した方が実はいらっしゃいます。

 その方の名前は成田透氏。プロフィールは一番最後に記します。

 それでは最初のメールをご覧ください。

 

この一週間、わたしは今回の参政党の「党員再登録」問題について、色々な観点から調べていました。

なので、この調査結果を纏めて皆さんにご報告します。

勿論、このような話を聞きたくないとお考えの方もおられることでしょう。

そういう方は、このメールを無視して下さい。

 一週間ほど前、ある方のご紹介で、IさんとFacebookで繋がりました。

彼とは、早速messengerで1時間半ほどのビデオ会議を行いました。

話の内容は、神奈川支部の実情やIさんが8月初めに参政党をお辞めになった理由です。

わたしは世事に疎くて、このようなことは、今までは興味も関心もありませんでした。

しかし、自分が当事者となったので、仕方なく情報収集しました。

実は、この後に長い文書を書きましたが、皆さんにはお送りしないことにしました。

純粋に参政党を信じておられる方には、余りに刺激的な内容だからです。

なので、この内容は「オフ会」でお話します。

ビデオ会議終了後、Iさんから「党員一人ひとりに党員のクレジットカード情報を再登録をさせる理由」について、以下のようなケースが考えられるという情報を頂きました。

emeao.jp

この資料の「乗り換え注意ポイント③で、顧客にカード情報の再入力が発生する可能性がある」と書かれています。

これは、「ECサイトを運営している事業者が、決済代行会社を変えた時に、すでにクレジットカード情報を登録しているユーザーが、同じカード情報を再登録する必要が出てくる」ということを言っています。

 Iさんは、システムの企画畑で仕事をされて来たので、上記のようなケースでは、個々のクレジットカード情報の再登録もあり得るというご指摘をされました。

わたしはシステムの技術と開発を中心に仕事をして来たので、それはあり得ない。それでもプログラムを1本書けば、「再登録」は防げるという考えです.。

実は、これは技術の問題ではなく、加入者のクレジットカード情報を決済代行業者間で引き継げるか、という決済の許諾(つまり契約)の問題でした。わたしはそれを知りませんでした。

わたしの親しい友人に、大手の決済代行業者(東証1部上場企業)の役員がいますので、その方にこのようなことはあり得るのか、問い合わせしました。

その方からの回答は以下の通りです。

「本日、弊社の加盟店管理担当役員に確認しました。

PSP(Payment Service Provider;決済代行業者)を変更する場合は、EC事業者と新旧PSPの3者間で合意文書を取り交わし、加入者の情報を引き継ぐとの事です。

当件はWin or Lossが常時発生する為(お互い様)業界の取り決め事項の類のようです。

余程のことがない限り、合意に至らないケースはないとの事ですが、100%確実とは言えないようです。通常は加入者(ユーザー)がカード情報を再登録することはないとの事です」。

それでは、なぜ参政党は、全ての党員に党員情報やクレジットカード情報の再登録をさせたのでしょうか。

決済代行会社の問題ではない(殆どの場合はない)ということは、シクミネット社の問題(制約)としか考えられません。

そこで、わたしはシクミネット社に電話しました。

シクミネット社に問い合わせたところ、このシクミネットのパッケージは、クレジットカード情報を前のPSPから引き継ぐことはしていないとの回答でした。

従って、このパッケージを使うためには、加入者(ユーザー)がクレジットカード情報を必ず再登録しなければならない、とのことでした。

(クレジットカード情報以外の党員情報は、有料で請負うとのことでした。費用は5万円+90円×人数)

つまり、このパッケージに移行するには、既に多数の会員を抱えているEC事業者(参政党)は、移行に応じない会員が出てくることになります。

 (質問)これをどう考えたら良いのかと問い合わせました。

(回答)これは移行を検討されているEC事業者のお考え次第です。1割2割の会員減を承知の上で移行されている。場合によっては、それ以上の会員減も想定の上で移行されています。

 (質問)会員減は問題なので、前のPSPとの間で加入者情報を引継ぐという合意文書を取り交わすことは考えていないか。これは、この業界では取り決め事項だと言われているが。

(回答)考えていない。この制約をご理解の上、契約して頂いている。

以上、クレジットカード情報の再登録は、シクミネットのパッケージの仕様だったのです。この業界の取り決め事項に反するシクミネット社の戦略は、わたしは中々考えられている戦略だと思いました。パッケージに加入する時の会員減のリスクはEC事業者に負担させる。一方、一旦このパッケージに加入してしまうと、他社のパッケージへの移行や自社開発する場合には、もう一度クレジットカード情報の再登録が必要になります。つまり、このパッケージから逃げられない仕組みなのです。PSP間の合意文書など簡単に作れますが、そうさせないシクミネット社のメリットは極めて大きいのです。

以上でお分かりのように、これがクレジットカード情報を全党員に再登録させなければならなかった理由です。

では、このパッケージを使うメリットは何でしょうか(添付資料1)。

第一に、セキュリティへの対応がしっかりしていることです。このパッケージはISO27001の審査を5年連続でクリアしています。従来のEC  CUBEでは、DBのデータをスプレッドシートにコピペして作業するという最悪の作業をしていました。セキュリティの考慮など、全くしていなかったという状態でした。担当者は、お恥ずかしい限りと言っていましたが、その言葉以上に酷い状況だったのです。この問題は、今回のパッケージの採用で解決出来ました。党員からしたら、これで安心できます。

二つ目のメリットとして、本部事務局で行っていた党費の入金管理が管理画面から容易にできるようになったことです。また、各種の検索機能もあるので、今までのようにExcelでの手作業が無くなります。これで、事務局の負担は大幅に軽減されることでしょう。

三つ目のメリットとして、事務局にシステム要員を抱えられない、いわゆる素人集団がこのようなECサイトを運営するのは初めから無理があったのです。それが今回のパッケージソフトの採用によって解決されます。お金を払っての解決ではありますが。

デメリットとしては、今回のクレジットカード情報の再登録で、一体、どれだけの党員を失うことになるかです。1割、2割は当たり前で、それ以上の党員を失うことになる可能性もあります。それをこれからどうやって引き留めるかです。これには、本部から何らかの措置が必要だとわたしは考えます。

 次に、このパッケージを使用することによって、一体、幾らの費用増になるかです。月々のパッケージ利用費が幾らなのかは教えて貰えませんでしたが、決して安い金額ではないと思われます。この費用は、このパッケージを使い続ける以上、払い続ける必要があります。また、このシステムから移行するには、クレジットカード情報の再登録が必要になるので、自社での運用に移行するのは難しいと思います。

わたしは長年、システムの開発を行って来ましたので、このような出費が残念でなりません。特に、党員数がこれから増えることが、確実に予想されるからです。

次に、このパッケージの決済機能と費用についての考察を行います。

このパッケージは種々の決済方法をサポートしています(コンビニ決済、ペイジー決済、クレジットカード決済、ペイパル決済、口座引落)。

参政党は決済方法をクレジットカード決済に限定しています。それは手数料金額で決定したと思われます(添付資料2)。1000円の党費を支払うのに手数料は4.2%(つまり42円)。一方の銀行の口座引落は198円ですからね。コンビニ決済やペイジー決済よりもクレジットカード決済の方が遥かに割安です。

今までの決済代行会社に幾ら支払っていたのか知りませんが、その差額が負担増になります。

また、運営費用はどうでしょうか。

このパッケージを利用する使用料は、1500人以下の少人数の場合、初期費用が19.8万円で、月々5.5万円です。1500人以上の場合は、営業の個別見積りになるそうです。参政党の場合は、10万人(少なくとも数万人)です。一体、幾らで契約したのでしょうか(続く)。

 (添付資料1)

shikuminet.com


(添付資料2)

https://caretherapist.com/pdf/system_charge.pdf

以上の結果から、参政党がシクミネットというパッケージを採用した理由が分りました。

それであれば、なぜもっと丁寧に党員再登録を説明をしなかったのでしょうか。

わたしは、もう一度、参政党事務局に電話して確認しました。

(質問)党員再登録をして頂けない方が多い。神谷さんから直接、事情の説明と再登録のお願いをすべきではないか。

(回答)各支部から、再登録の依頼をする積りだ。本部から(神谷さんから)呼びかけることは考えていない。また、9月末までという期限は延長することを考えている。

前回と違い、今回は通話内容が録音されているということで、対応して頂いた担当者は、かなり慎重な受け答えをされていました。途中で上司に確認すると保留にしたり、自分のところには、具体的な指示は来ていないと言っていました。この件は、本部事務局でもかなり神経質になっているようです。

 

成田透氏のプロフィール
日本アイ・ビー・エム(株)に30年勤務。システムズ・エンジニア(SE)として、金融機関(都銀・長信銀)を担当。退職時は金融システム・ソリューション部長。
退職後はIBM関連会社の役員を歴任。最後は(株)エムティーアイで常務取締役ITセンター長。
数々の大規模システムの構築や大規模プロジェクトを成功裏に実施した。現在72歳。